【3月20日 AFP】資金不足のため経営難に陥っていたイタリア・セリエAのパルマ(Parma FC)に対して19日、破産が宣告され、管財人の管理下に置かれることが決まった。

 度重なる会長の交代、現会長の身柄拘束などが起こった激動の数か月の末、裁判所からこの日、ほとんど誰もが覚悟していた知らせがもたらされた。

 クラブ役員のオズヴァルド・リッコベーネ(Osvaldo Riccobene)氏は、「クラブの債権者が破産を求め、当局がこれを受け入れた。われわれも異議を唱えなかった」と話した。

 クラブの未来を決する裁判所の審理には、リッコベーネ氏とエンリコ・シチリアーノ(Enrico Siciliano)氏の2人の役員がクラブ代表として出席し、現会長のジャンピエトロ・マネンティ(Giampietro Manenti)氏は不在だった。

 マネンティ氏は、現在のクラブを象徴する1ユーロという額でパルマを買い取ったものの、借金を清算するとの約束を果たさずにいた。そして18日には、ほかに21人とともに、マネーロンダリング(資金洗浄)などの容疑で逮捕されていた。

 それでも、パルマが次節のリーグ戦、22日に本拠地で行われる予定のトリノ(Torino FC)戦を開催できないかは、まだ確定しておらず、当面の見通しは不透明な状況となっている。裁判所は19日遅く、もしくは20日に、この件に関する最終的かつ詳細な決定を発表するとみられている。

 地元紙ガゼッタ・ディ・パルマ(Gazzetta di Parma)によると、裁判所のピエトロ・ロガート(Pietro Rogato)裁判官は、アンジェロ・アネッダ(Angelo Anedda)氏とアルベルト・ギオット(Alberto Guiotto)氏の2人を管財人に指名し、クラブの管理と両氏の監督下での運営を任せた。

 同紙によれば、パルマの負債総額は2億1844万ユーロ(約280億円)に上り、そのうち選手の給与に関するものは6300万ユーロ(約81億円)、さらに含み損は4670万ユーロ(約60億円)に達するという。(c)AFP/Justin DAVIS