ドイツで反緊縮デモが暴徒化、数十人負傷 ECB新本部に抗議
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【3月19日 AFP】ドイツ西部の金融都市フランクフルト(Frankfurt)で18日、欧州中央銀行(ECB)新本部ビルの落成式に合わせ、反資本主義のデモが行われ、参加者が警官隊と衝突、双方合わせて数十人が負傷した。
衝突は午前の早い時間に発生。警察とデモ主催者によると、警官14人とデモ参加者21人が負傷した。また警察によると、警察車7台が放火された他、警察署1か所が投石され、治安妨害と放火などの容疑で同日夕方までに19人が逮捕された。炎上した車両やバリケードなどの消火活動に急行した消防隊も襲撃を受けたという。
警察によると、警官80人が刺激性ガスでけがをしたが、その後任務に復帰した。デモ主催者はツイッター(Twitter)で、参加者100人以上が催涙ガスと唐辛子スプレーで負傷したと述べた。
デモは、13億ユーロ(約1700億円)を投じて建設されたECB新本部ビルの開館に抗議するため行われた。デモを主催した団体「ブロキュパイ(Blockupy)」は、「これは計画していなかったものだ」として、暴力行為から距離を置く声明を発表している。
主催者発表によると、午前中のデモ参加者は外国からの1000人を含む約6000人。午後には、市中心部のデモ行進とレーマーベルク(Roemerberg)広場での集会に、警察発表で1万5000人、主催者発表で2万人が参加した。
ブロキュパイの運動には、欧州各地から反資本主義や反緊縮派の人々が参加。2013年にはフランクフルトの旧ECB本部ビル近くに数か月にわたりテントを張り抗議を行った。
今回のデモの最終集会では、「ATTAC(アタック)」などのデモ団体や、労働組合、ギリシャ政府与党の急進左派連合(SYRIZA)のメンバーら、スペインの左派政党ポデモス(Podemos)の代表が演説した。(c)AFP/Simon Morgan