24歳のアメフト選手、脳疾患を恐れて現役引退を決意
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【3月17日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)でラインバッカーとして活躍していたクリス・ボーランド(Chris Borland)が、度重なる衝撃で頭部に悪影響が及ぶことを理由に、24歳の若さで現役引退を決意した。米スポーツ専門チャンネルのESPNは16日に伝えている。
ボーランドはESPNに対して、「自分の健康にとってベストの選択をしたかっただけだ」とし、「いろいろ調べたり、実際に経験したことから、リスクを冒したくないと考えた」と語った。
ボーランドは総額300万ドル(約3億6400万円)でチームと4年契約を交わしていたが、脳振とうの懸念を理由に契約を破棄したとして、リーグの歴史に名前を残すことになった。
世界一裕福なスポーツとして名高いNFLでは、長期間にわたり頭部に衝撃を受けることによって、神経疾患を引き起こすという研究結果も出されるなど、これまでも危険が指摘され、安全性に不安の声が上がっていた。
ボーランドは1年目の昨季、計14試合に出場してタックル108回、クオーターバックサック1回、インターセプト2回を記録したが、12月に足首を痛めてシーズンを終えていた。
ドラフト3巡目指名でNFL入りを果たしたボーランドは、「かつてないほどの体の切れ」を実感しているものの、「将来を見据えた」として、13日に引退の決意をフォーティーナイナーズに伝えた。
ボーランドは、「症状が出た時は手遅れになることが不安だ」とし、「判明していないことが多く、何が起きるか分からない。これからも長く健康的な生活を送りたいし、脳疾患を抱えたくはない。そうなったら、若くして死んだほうがましだ」と語った。
フォーティーナイナーズでは先週、つま先の故障で昨季6試合しか出場できなかった30歳のパトリック・ウィリス(Patrick Willis)が引退を表明し、ラインバッカーを失ったばかりだった。
ボーランドは今回の決断についてウィリスとは無関係だとし、今後は復学してスポーツマネジメントを学ぶとしている。(c)AFP