【3月17日 AFP】(一部更新)出演したドキュメンタリー番組の収録中に殺人を「告白」したとみられる米国の富豪が殺人容疑で逮捕され、話題を集めている。

 およそ44億ドル(約5340億円)の資産を保有するニューヨーク(New York)の不動産一族の一員であるロバート・ダースト(Robert Durst)容疑者(71)は14日、親しい友人だったスーザン・バーマン(Susan Berman)さんが2000年に殺害された事件をめぐる殺人容疑で、ルイジアナ(Louisiana)州ニューオーリンズ(New Orleans)で逮捕され、16日にロサンゼルス(Los Angeles)で訴追された。

 容疑者の身柄は今後、カリフォルニア(California)州に移送される予定。裁判で有罪となれば、死刑が言い渡される可能性もある。

 ダースト容疑者は、ケーブルTV局HBOが6回シリーズで制作し高評価を得ていたドキュメンタリー番組「The Jinx: The Life and Deaths of Robert Durst(悪運─ロバート・ダーストの人生と死者たち)」の最終回の撮影中、意図せず過去の複数の殺人を告白してしまったとみられている。

 15日に放送された最終回では、ダースト容疑者が「一体俺は何をしたんだって?全員殺したんだよ。もちろん」とつぶやく声が流れた。これはトイレを使った際の独り言で、ワイヤレスマイクのスイッチを切り忘れたことに気付いていなかったとみられる。

 容疑者が本気で犯行を告白したのかどうかは不明だが、報道によれば、ロサンゼルス州の警察当局は、容疑者逮捕の決定にこの番組が影響を与えたことを認めている。