【3月16日 AFP】米中西部インディアナ(Indiana)州で、親が育てられないと判断した新生児を匿名で託す、いわゆる「赤ちゃんポスト」を全米で初めて導入する動きが進んでいる。設置法案は既に州下院を通過し、現在、上院での採決を待っている。

 このほど公開された「赤ちゃんポスト」の試作品は、郵便ポストと見間違えそうな外観をしているが、裏側には通気孔がたくさん開いている。法案では、温度調節機能とアラームを設置するとしている。

 インディアナ州では、病院や消防署、警察署に親が出向き、赤ちゃんの育児を匿名で託すことを認める「セーフヘイブン(Safe Haven)」法が施行済み。だが、「赤ちゃんポスト」導入法案を策定したケーシー・コックス(Casey Cox)同州下院議員(共和党)は、セーフヘイブン法を知らない親もいるうえ、「対面式で子供を預けなければならないことに対する強い不安から、さまざまな問題を抱えた親たちが同法の活用を拒む原因となっている可能性がある」と指摘する。

 ただ、導入に強く反対する声もある。反対派は、「赤ちゃんポスト」の設置によって母親が適切な医療サービスや支援を受ける機会を奪われると批判。誰かの手に預けるのではなく、箱の中に置き去りにすることで罪悪感にさいなまれる恐れがあると主張している。(c)AFP/Anne RENAUT