【3月13日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は13日、世界全体の喫煙者数について、多くの国々で減少しているものの、アフリカと地中海沿岸の諸国では増加傾向にあるため、今後10年間はあまり変化しないと予測する報告書を発表した。

 WHOの推計によると、世界全体で毎年約600万人が喫煙に関連する原因によって死亡している。そのうち喫煙が直接の原因となっている死者は500万人超で、残りは受動喫煙によるものだという。

 また、世界に約10億人いる喫煙者のうち約80%は、低所得国または中所得国で暮らす人々だと報告書は指摘している。

 英医学専門誌ランセット(Lancet)に掲載された世界170か国以上を対象にした喫煙傾向についての分析結果によると、男性の喫煙率は2000~10年の10年間に対象国の72%で減少した。また女性の喫煙率は、対象国の88%で減少したことが確認された。

 報告書によれば、WHO加盟諸国は2025年までに、世界全体の喫煙率を2010年の数値から30%削減させる自発的目標に合意した。ただし現状では「目標達成に向けた軌道上にある国々は、男性では37か国(21%)、女性では88か国(49%)にすぎない」という。

 報告書の作成者らは、アフリカや地中海東部沿岸の国々での急激な喫煙率の増加が、改善された数値のほとんどを帳消しにしてしまう可能性があるため「2025年の喫煙者は推計11億人」と予想している。(c)AFP