【3月13日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が支配するイラク北部ティクリート(Tikrit)の奪還を目指しているイラク政府軍と民兵ら合わせて数千人規模の部隊は12日、爆弾が仕掛けられたり狙撃手らが待ち構えたりしている通りに入らないよう慎重を期しながら、ISの戦闘員らの包囲を進めた。

 11日にティクリートとその周辺で大きな戦果を上げたイラク軍の司令官らは、ISに対しこれまでで最大の勝利を収めるのはもはや時間の問題だと自信を示した。

 ハリド・オベイディ(Khaled al-Obeidi)国防相はティクリートを州都とするサラハディン(Salaheddin)州入りしている報道陣に対し、「われわれは現在、計画の第2段階に移ろうとしている」と明かし、11日目となった攻撃について「わが方の犠牲者をできる限り少なく抑えたい考えだ。時が味方してくれている、主導権を握っているのはわれわれだ」と話した。

 ISが9か月前に掌握したティクリート奪還を目指す上で過去最大規模となった今回の攻撃の開始以来、戦闘に関与しているどの筋からもイラク軍側の犠牲者数は明らかにされていない。

 しかし毎日のように数十人の遺体がティクリートの南にある首都バグダッド(Baghdad)やイスラム教シーア派(Shiite)の聖地ナジャフ(Najaf)に向けて移送されているのは事実。またイラク軍優勢ではあるものの、ISも自動車爆弾を使った自爆攻撃や仕掛け爆弾、狙撃手らでイラク軍に打撃を与えている。

 チグリス川(Tigris River)を挟んでティクリートが見える村でAFPの取材に応じたある警察幹部は、「犠牲者を出さなくて済むよう、急ぐつもりはない」とするとともに、「ティクリートは全方向から封じ込められている」と語った。(c)AFP/W.G. Dunlop and Ammar Karim