【3月12日 AFP】シリアでイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」と戦っていたスイス国籍の男性が、スイス帰国後に軍法会議に訴追された。欧州各国政府は、自国の市民がシリアに渡航してISに加わる問題の対応に追われている。だが新たに、シリアなどに渡航して対ISの戦闘に参加する市民をどのように扱うのかという問題が浮上した。

 警察当局によると、スイス国籍でシリアのキリスト教コミュニティー出身のヨハン・コサル(Johan Cosar)被告(33)は、シリアから帰国後にバーゼル(Basel)で身柄を拘束され、反IS部隊に参加した動機などについて取り調べを受けた後、釈放されたという。

 コサル被告は、公式の許可なく外国の軍部隊に参加したとしてスイスの軍法会議に訴追された。有罪となれば禁錮3年以下の実刑が科される。

 オランダでも昨年10月、同国のバイク愛好家集団「ノー・サレンダー(No Surrender)」のメンバーが、イラクでクルド人部隊に合流してISと戦闘していることが明らかになった。だが当時、オランダ検察庁のウィム・デブルーイン(Wim de Bruin)報道官はAFPに対し「外国の武装勢力に加わることは、過去には国内での処罰の対象だったが、現在は禁じられていない」と話し、今回のスイスとは対照的な姿勢を示していた。

 コサル被告はスイス生まれで、スイスで軍事訓練を受け、シリア北東部の民兵組織に参加して2年以上にわたってISと戦っていた。(c)AFP