【3月12日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が支配するイラク北部ティクリート(Tikrit)の奪還を目指すイラク軍は11日、同市内に進攻した。軍関係者らが明らかにした。

 イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」はこのところ、一方的に樹立を宣言した「カリフ制国家」の中心部で手痛い敗北を続けているが、その超暴力的なイデオロギーは世界各地で襲撃事件を誘発し、戦闘員のIS志願も相次いでいる。

 だが、イラク政府軍とそれを支持する部隊は、米主導の有志連合の空爆による直接の支援なしでティクリート市内に進攻。ISからの同市奪還を目指し10日間にわたり続けてきた作戦は、新たな段階へと入った。

 軍隊と警官隊、志願部隊からなる連合部隊は、ISの主要拠点であるティクリートの北部と南部に進軍。AFPの取材に匿名を条件に応じたある少将は、イラク政府軍はティクリート市内の「カディシヤ(Qadisiyah)地区の一掃」を目指し戦闘を続けていると説明。「だが、地上の戦闘員のみならず、わなが仕掛けられた地域や狙撃にも直面しており、非常に慎重な戦いとなっている」と述べた。

 政府側には、作戦開始時点で最大3万人の戦闘員が参加。一方、ティクリート市内のIS戦闘員は数百人とされている。市周辺地域の大半は政府軍が既に奪還した。(c)AFP/Ahmad al-Rubaye with Marwan Ibrahim in Kirkuk