【3月11日 AFP】ミャンマー中部の町レパダン(Letpadan)で10日、学生らが行っていた抗議行動を警棒で武装した警官隊が強制排除し、127人の身柄を拘束した。デモ隊の強制排除はここ数日間ですでに2度目で、当局がかつての軍事政権時代の弾圧的な姿勢を再び示しつつあるという懸念が強まっている。

 現地で取材に当たっているAFP記者によると、警察の機動隊は強制排除したデモ参加者らを2台の大型トラックに分乗させ、移送していったという。レパダンではこれまで1週間以上にわたり、教育改革を求める学生らと当局とのにらみ合いが続いていた。

 これを受けて政府報道官は、デモ隊が挑発行為に及んだため警察は実力行使せざるを得なかったと述べ、警察を擁護した。

 同報道官はフェイスブック(Facebook)への投稿で、「繰り返し警告したにもかかわらず聞き入れられず、(デモ隊が)警察を攻撃しバリケードを破壊しようとしたため、警察は実力行使に踏み切らざるを得なかった」と説明した。

 同報道官によると、127人の身柄が拘束され、うち65人が学生。また衝突の際、警察官16人とデモ参加者8人が負傷したという。

 同国では今年の年末に総選挙が予定されている。これは民主化を推し進めるものと広く認識されている一方で、今回の強制排除により、当局がかつての軍事独裁体制の弾圧的な戦術を取っているのではないかという懸念が強まっている。

 数日前には国内最大の商業都市ヤンゴン(Yangon)でも、教育改革を求める動きへの支持を表明するデモが今回同様に強制排除され、人権活動家らから強い非難が上がったばかりだった。

 ミャンマー警察と合同で複数の訓練プログラムを実施している欧州連合(EU)は今回の強制排除に対して声明を出し、「深く憂慮している」とするとともに、迅速な調査を要請した。

 また在ヤンゴンの米大使館もツイッター(Twitter)で、ミャンマーの民主化実現に向け「忍耐、譲歩、そして自制」を呼び掛けた。(c)AFP/Phyo Hein KYAW