【3月10日 AFP】ニューランドのジョン・キー(John Key)首相は10日、害虫駆除剤を使用禁止にしなければ、国内の粉ミルクに毒物を混入するとの「環境テロリスト」の脅迫を受けていることを明らかにした。

 脅迫状は昨年11月に届き、害虫駆除に使用される化合物、モノフルオロ酢酸ナトリウム(別名:1080)が今年3月までに使用禁止にならなければ粉ミルクに毒物を混入するとの内容だったいう。

 全国農業者連盟 (National Farmers Federation)や乳製品大手フォンテラ(Fonterra)に匿名の手紙と毒物入りの粉ミルクが送り付けられたことを受け、警察当局はこの問題を深刻に受け止め、11月から捜査を進めているという。 

 当局は消費者に対し、毒物混入の形跡などがないか製品パッケージを調べるよう呼びかけ、スーパーなどは、客が直接、粉ミルク製品に触れられないよう、棚ではなく保管室などに陳列している。

 世界最大の乳製品輸出国であるニュージーランドでは、2013年にフォンテラの乳製品がボツリヌス菌に汚染されているとして世界中で回収(リコール)が相次いだ後、汚染は誤報だったことがわかった。乳製品業界は、このとき受けた大きな打撃から立ち直ろうとしている。(c)AFP