【3月10日 AFP】韓国の活動家たちは今月末、北朝鮮を題材にした米映画製作大手ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)製作のコメディー映画『ザ・インタビュー(The Interview)』のコピー版を多ければ1万本風船につけ、北朝鮮へ向けて今月末に飛ばす計画を10日、明らかにした。

『ザ・インタビュー』は、米中央情報局(CIA)が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の暗殺を計画するという架空の筋立てを描いた作品で、北朝鮮側は再三にわたって非難し、威嚇的な態度を示している。

 脱北者を含む韓国の活動家らは、2010年に韓国海軍の哨戒艦「天安(Cheonan)」が北朝鮮の魚雷によって沈没した事件から5年目にあたる今月26日前後に、『ザ・インタビュー』のコピー1万本を風船で飛ばす計画だ。

 米人権団体「人権基金(Human Rights Foundation)」と韓国の活動家たちは最近、反北朝鮮的な内容の小冊子10万冊を同様の方法で北朝鮮へ向けて飛ばしている。冊子の内容については明らかにされていないが過去には、世襲制で北朝鮮を支配する金政権を批判する内容が送られている。

 韓国政府は、活動家たちは小冊子を送ることができる民主的権利を擁しているが、あからさまに北朝鮮を挑発する行為は控えてほしいと呼び掛けている。

 風船による活動を率いている脱北者のパク・サンハク(Park Sang-Hak)氏は北朝鮮当局から、映画のコピーが国境を越えて届けば「自身の罪を血をもって償う」ことになるだろうと脅されている。

 北朝鮮側は宣伝サイト「わが民族同士(Uriminzokkiri)」で今月2日、あらゆる風船飛ばしに対し「何発か銃撃するどころではなく、大砲かミサイルで」応酬すると威嚇した。(c)AFP