【3月9日 AFP】ロシアの野党指導者ボリス・ネムツォフ(Boris Nemtsov)元第1副首相が暗殺された事件で、同国の裁判所は8日、身柄を拘束されていた南部チェチェン(Chechnya)共和国出身の元警官ザウル・ダダエフ(Zaur Dadayev)容疑者が、事件への関与を自供したことを明らかにした。また、ロシア当局は新たに3人の容疑者を拘束。計5人となった容疑者のうち、ダダエフ容疑者を含む2人が同日に訴追された。

 ダダエフ容疑者以外の4人は、ネムツォフ氏殺害への関与を否定している。インタファクス(Interfax)通信は警察筋の情報として、チェチェンの首都で7日、6人目の容疑者が身柄拘束を試みた警察に手投げ弾を投げた上、別の手投げ弾を使って自殺したと報じている。

 同通信は、裁判所で読み上げられた文書の内容から、捜査当局が、事件を金銭目的のグループによる犯行とみていることが示されたと伝えている。捜査当局は他にも共犯者がいる可能性があるとみて捜査を続けているとしているが、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対する痛烈な批判を続けていたネムツォフ氏の暗殺を命令した可能性のある黒幕の正体については、過去にロシアで起きた野党関係者暗殺事件と同様、今のところ明らかになっていない。(c)AFP/Fran BLANDY