【3月8日 AFP】ロシアの野党指導者ボリス・ネムツォフ(Boris Nemtsov)元第1副首相が殺害された事件で、旧ソ連時代の国家保安委員会(KGB)の後継機関であるロシア連邦保安局(FSB)の元長官で、現在は連邦下院議員のニコライ・コバレフ(Nikolay Kovalev)氏はロシア通信(RIA)に対し、これまでに明らかになった情報からは逮捕された2人は金で雇われた殺し屋にすぎないとみられると述べた。

 FSBのアレクサンドル・ボルトニコフ(Alexander Bortnikov)長官は7日の国営テレビで、逮捕されたアンゾル・グバシェフ(Anzor Gubashev)、ザウル・ダダエフ(Zaur Dadayev)両容疑者は北カフカス(North Caucasus)出身だと述べていた。

 ロシアは北カフカスのチェチェン(Chechnya)共和国に2度軍事介入し、同共和国の独立を求める武装勢力と激しく交戦した。ロシアの治安部隊は人権侵害をたびたび非難されながらも、引き続き北カフカスでイスラム過激派と衝突している。

 ロシア連邦捜査委員会(Investigative Committee)のウラジーミル・マルキン(Vladimir Markin)報道官はインタファクス(Interfax)通信に対し、両容疑者が「ネムツォフ氏殺害を計画し、実行した疑いがある」と述べた一方、関与の度合いが異なる複数の別の容疑者を見つけるための捜査も継続中だと述べた。(c)AFP/Fran BLANDY