「息子が聖戦士ジョンという証拠はない」、容疑者の父が反論
このニュースをシェア
【3月4日 AFP】「ジハーディ(聖戦士)・ジョン(Jihadi John)」の通称で知られるイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」の戦闘員だと報道されたモハメド・エムワジ(Mohammed Emwazi)容疑者(26)の父、ジャシム・エムワジ(Jassem Emwazi)さんが初めてインタビューに答え「息子が聖戦士ジョンという証拠はない」と語り「うそのうわさが流されている」とメディアを非難した。
4日のクウェート紙カバス(Al-Qabas)に掲載されたインタビューでエムワジさんは「メディア、特に動画や映像で流れているように、容疑者が私の息子のモハメドだということを証明するものは何もない」と述べ「クウェート国民に言いたい。多くのうわさは偽物だ」と語った。また「それを信じている人もいるので、私自身を守り、言われていることが真実ではないと証明するために弁護士を雇った」とも述べた。
エムワジさん夫婦は、聖戦士ジョンの声が自分たちの息子の声だと認めていると報じられていたが、今回はそれを覆す発言。前言を撤回した理由は明らかでない。
エムワジさんの弁護士、サレム・ハシャシュ(Salem al-Hashash)氏によると、エムワジさんはクウェートの内務省から3時間にわたって尋問されたという。エムワジさん側は8日以降、訴訟を起こすとしている。またエムワジさん一家は、英国に住む家族を保護するため、英国でも弁護士を雇ったという。
エムワジ一家はイラク出身で、エムワジ容疑者が生まれたときは国籍がなくクウェートに住んでいた。その後、クウェート国籍を取得する希望を絶たれ、1993年に家族で英国へ移住した。エムワジ容疑者がクウェートを訪ねたのは2010年1~4月が最後で、翌年には英国での攻撃に絡む捜査線上に名前が浮かんだことから、クウェートへの入国を拒否されている。
メディアでは、欧米人人質少なくとも5人を斬首して殺害したISの戦闘員、聖戦士ジョンはエムワジ容疑者だと報じている。(c)AFP