【2月28日 AFP】米IT大手グーグル（Google）は27日、IT産業の聖地シリコンバレー（Silicon Valley）にある本社の敷地全体を大胆に自然と融合させる改築案を明らかにした。同社公式ブログでも詳細が公開されている。

 米カリフォルニア（California）州マウンテンビュー（Mountain View）のグーグル本社の新設計案を手掛けるのは、デンマーク人建築家ビャルケ・インゲルス（Bjarke Ingels）氏と、ロンドン（London）を拠点に活動する英国人建築家のトーマス・ヘザウィック（Thomas Heatherwick）氏。

 新設計には、玩具のブロックのように移動させることが可能な未来風のオフィス棟に大きなキャノピー（張り出し屋根）を取り入れるなど、開放的なデザインが特徴となっていると、デビッド・ラドクリフ（David Radcliffe）不動産担当副社長は説明する。建物の間や中をループ状の自転車道や歩道が通り抜け、水路や公園スペースもふんだんに設けられている。「建物と自然の境界をあいまいにする」設計だという。

 一方、地元マウンテンビューではかつてのんびりとしていた街が巨大企業に乗っ取られてしまうのではないかとの危機感も出ている。同じシリコンバレーでは、米アップル（Apple）やフェイスブック（Facebook）それぞれ著名建築家を起用し、巨大な新社屋の建設を進めている。そのため周辺地域では、交通渋滞や不動産価格の高騰といった懸念が持ち上がっている。

 そうした背景を踏まえ、ラドクリフ副社長は自社のキャンパスは「もっと地域コミュニティとの関係性を重んじるものになる。地元産業のために、自動車道や飲食店などの商業施設を多く加える。またフクロウの生息地を作ったり、小川の河床を広げたりするなど、この地域の環境に新たな生命をもたらしたい」と語った。(c)AFP/Rob Lever