「卑劣な殺人」、米大統領がネムツォフ氏射殺を非難
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【2月28日 AFP】ロシアのモスクワ(Moscow)で27日夜、同国の野党指導者ボリス・ネムツォフ(Boris Nemtsov)元第1副首相(55)が何者かに撃たれて死亡したことを受けて、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は同日、同氏殺害を「卑劣な殺人」と非難する声明を発表した。
ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領のウクライナ介入を厳しく批判していたネムツォフ氏はクレムリン(Kremlin)近くのボリショイ・モスクボレツキー(Bolshoi Moskvoretsky)橋を歩いていた時に射殺された。3月1日にはネムツォフ氏らが主導する大規模な反政権集会が予定されていた。
オバマ大統領は、「ロシアの腐敗と闘ったネムツォフ氏の勇気ある貢献は称賛に値するものだった」と述べ、2009年のモスクワ訪問時に会った際には同氏が「積極的に率直な意見交換をしてくれた」と語った。また、熱意と説得力をもった人権擁護者だったとネムツォフ氏を惜しみ、ロシア全土に衝撃を与えたこの事件の捜査を公正かつ速やかに実施するようロシア政府に求めた。
ロシア政府は事件の直後、これは何らかの挑発だとする声明を発表。ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は、ネムツォフ氏殺害には「請負殺人の特徴がみられる」と語った。
一方、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領はフェイスブック(Facebook)上で、ネムツォフ氏は「ウクライナとロシアの懸け橋だった」と同氏の死を悼むとともに「それを暗殺者の銃弾がぶち壊した。偶発的な事件だとは思っていない」と疑念を示した。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO, Anna MALPAS