ロシアで拘禁のウクライナ人パイロット、「数日以内に死亡の恐れ」
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【2月27日 AFP】ロシアの刑務所に拘禁され、ハンガーストライキを続けているウクライナ人女性パイロットの健康状態が大幅に悪化し、「数日以内に死亡する恐れ」があると、ロシアの人権委員会委員が27日、述べた。
ウクライナのヘリコプター航空士、ナディア・サフチェンコ(Nadia Savchenko)氏(33)は、ウクライナ東部でロシア人記者2人が迫撃砲で死亡した事件に関与したとして、モスクワ(Moscow)の刑務所に9か月間近く拘禁されている。
サフチェンコ氏は容疑を否認、ロシアに拉致されたと主張して昨年12月13日にハンガーストライキを始めた。この2週間はブドウ糖の点滴も拒否している。
ロシア大統領府人権委員会のエレナ・マスーク(Yelena Masyuk)委員は27日に公開書簡で「この数日で彼女(サフチェンコ氏)の健康状態が急速に悪化した。内臓に深刻な障害が出ている」と述べた。
マスーク委員は、人権委のミハイル・フェドートフ(Mikhail Fedotov)委員長に対し、パイロットをウクライナ大使館またはモスクワ市内のマンションなどで自宅軟禁にするよう当局に働きかけることを要請した。
1年近くロシアの刑務所に拘禁され、未治療の膵炎(すいえん)により獄中で死亡した同国の人権弁護士セルゲイ・マグニツキー(Sergei Magnitsky)氏の事件は、ロシアの刑務所における虐待の象徴となった。米政府はマグニツキー法を制定し、2009年のマグニツキー氏の死に関与したとされるロシア当局者を制裁対象に加えている。(c)AFP