【2月27日 AFP】米アリゾナ(Arizona)州フェニックス(Phoenix)近郊で26日、街に迷い込んだ2頭のラマを捕獲するため警官数十人が追跡し、通りは大混乱に陥った。この様子はテレビで生中継され、ラマたちはソーシャルメディア上で一躍スターの座に上り詰めた。

 捕獲の手から逃れようと、白と黒の2頭のラマが果敢に通行量の多い道路や駐車場などを横切る様子を上空から撮影した映像が、米メディアで生中継されると、ラマたちにはたちまち世界の注目が集まった。

 フェニックス郊外のサンシティ(Sun City)を走るラマを止めようとする警察や一般市民の試みは次々と失敗。だが、初めに黒いラマが投げ縄で捕らえられ、その後まもなく白いラマも追いつめられ、自由を求めた2頭の逃走劇は終わった。

 地元警察によると、ラマたちにようやく追いついたのは3人の通行人だったという。2頭は、介護施設で暮らす元牧場主のアニマルセラピーのために輸送されていたが、輸送用のトレーラーのドアが開いた際、驚いて逃げ出した。車には3頭のラマが積まれていたが、逃げ出したのは2頭だけだった。

 捕まった2頭はおとなしくトレーラーで連れて行かれたが、その頃には既にちょっとした「有名人」となっていた。

 ラマたちの勇敢さについて、ツイッター(Twitter)上では、「#whitellama(白いラマ)」や「#llamas(ラマたち)」、「#teamllama(チームラマ)」などのハッシュタグを付けた多数の投稿が寄せられた。

 あるユーザーは「#llamasよ、われわれは皆いつか死ぬということを、ほんの一瞬でも忘れさせてくれてありがとう」と投稿。別のユーザーは「24時間ニュースはだめだと言っていた人は皆、今日の午後のラマの生中継を見逃したね」とコメントした。

 機転を利かせたツイッターユーザーは、ラマを名乗る偽のアカウント「@SunCityLlamas」を開設し、「ワオ、僕らって有名」と投稿した。

 米ディズニー(Disney)も騒動に便乗し、凛とした顔つきのラマの漫画に「ラマ・ドラマ」との言葉を添えてツイート。また、現場近くに本拠地を置く米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のアリゾナ・カーディナルス(Arizona Cardinals)も、ツイッターに「#AZCardinalsは、#llamasontheloose(逃亡ラマ)との1年契約に合意した。ラマたちにそれぞれ、2340ポンドの干し草を与える」とコメントした。(c)AFP