【2月27日 AFP】ウクライナ政府軍は26日、親ロシア派武装勢力との戦闘が続く東部の前線から重火器の撤去を開始したと発表した。揺らぎつつあった停戦合意に光が見えている。

 ウクライナ政府と親露派が今月に交わした停戦合意は、15日に発効を迎えるはずだったが、戦闘地域での停戦は数日前にようやく履行され始めた。重火器の撤去は停戦合意の中でも、主要な内容となっていた。

 政府軍は声明で、「ウクライナはきょう(26日)、前線から口径100ミリの大砲の撤去を開始した」と発表。「これは重火器撤去の第一歩であり、欧州安保協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)の監督と確認を確実に受けながら実施していく」としている。

 現地入りしているAFPカメラマンによると、要衝デバルツェボ(Debaltseve)周辺の前線から政府軍が少なくとも15基の大砲をけん引していく様子が見られた。

 重火器の撤去が進めば、政府軍と親露派との間に緩衝地帯が設けられることになる。撤去は今後2週間以内に完了する取り決めとなっている。

 親露派側は、一部の地域からはすでに迫撃砲やロケット発射装置、ミサイルシステムなどの大部分を撤去したと主張している。

 だがOSCE監視員らは、親露派の前線から複数の重火器が撤去されていくのを確認したものの、もし撤去が本当であれば実際にどの重火器が撤去されたのかを確認するのに必要となる情報が、政府軍と親露派のいずれからも提供されていないと指摘している。

 ここ数日間、戦闘は劇的なまでに沈静化している。政府軍はこれまでの2日間に4人がけがをしたが、死者は出なかったとしている。(c)AFP/Anatoliy STEPANOV with Max DELANY in Kiev