アカデミー作品賞、最近のトレンドは映画製作の「内輪話」?
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【2月25日 AFP】22日に授賞式が行われた第87回アカデミー賞(Academy Awards)では、ブロードウェーの舞台への復活を期して奮闘する元スター俳優を描いた映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance))』が作品賞に輝いた。過去4回のアカデミー賞で、映画製作や俳優を描いた映画が作品賞を獲得したのは3回目。「自己中心」のハリウッド(Hollywood)で「内輪話」が受けているのではないかとの議論が起きている。
映画業界の関係者らは、より私的で正統派の映画づくりというトレンドを反映していると主張するが、アカデミー賞の結果予測サイト「ゴールド・ダービー(Gold Derby)」の評論家トム・オニール(Tom O'Neil)氏は、ソーシャルメディアやテレビのリアリティー番組に基づく広範な文化様式の一部だとみている。『バードマン』の4冠達成を受けて同氏はAFPに対し、「今日における私たちのポップカルチャーではナルシズムがもてはやされており、それがアカデミー賞にも表れている」と語る。
2012年のアカデミー賞作品賞は、トーキー映画への移行期に葛藤する無声映画のスターを描いたモノクロ映画『アーティスト(The Artist)』だった。さらに翌13年は実話をもとに、イラン革命の最中のテヘラン(Tehran)に映画製作者を装って潜入した米中央情報局(CIA)工作員による外交官救出作戦を描いた『アルゴ(Argo)』が受賞した。