【2月23日 AFP】英金融大手HSBC傘下のスイスのプライベートバンクが富裕層顧客の巨額脱税をほう助していたとされる疑惑をめぐり、英紙ガーディアン(Guardian)は22日、グループの徹底改革を誓った親会社HSBCホールディングス(HSBC Holdings)のスチュアート・ガリバー(Stuart Gulliver)最高経営責任者(CEO)自身が、問題の銀行の口座に760万ドル(約9億円)を保有していたと報じた。

「スイスリークス(SwissLeaks)」の名で知られる疑惑は、HSBCの評判を失墜させ、5月に総選挙を控える英政界をも揺るがすスキャンダルとなっている。

 ガーディアン紙によれば、グループを統括する立場にあるガリバーCEOは渦中のプライベートバンクにパナマ登記の会社「ウースター・エクイティ・インク(Worcester Equities Inc)」名義で口座を持ち、2007年時点で760万ドルを保有していた。この口座の受益者はガリバー氏だという。

 また、ガリバー氏は英国を拠点としているが、税務・法務上の理由から香港(Hong Kong)に居住しているという。

 ガーディアン紙に対しガリバー氏の代理人は、問題とされる口座は同氏がロンドン(London)から香港へ転居した2003年以前の賞与を預金するために使っていたもので、香港への収入税の納入は済んでおり、英税務当局にも口座に関する申告は済ませていると語った。(c)AFP