IS目指す少年少女、阻止する方策は?苦慮する英国
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【2月23日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」に参加しようとする10代の少年少女たちを、どうやって阻止すればいいのか――成績優秀な少女3人がISに加わるためシリアに渡航したとみられる問題をめぐり、英国で議論が起きている。
同じ学校に通うシャミーマ・ベガム(Shamima Begum)さん(15)、カディーザ・サルタナ(Kadiza Sultana)さん(16)、アミラ・アバセ(Amira Abase)さん(15)の3人は、ロンドン(London)東部の自宅を17日に出てトルコ・イスタンブール(Istanbul)行きの旅客機に搭乗した後、足取りが途絶えている。
3人がIS参加を志してシリアに向かったとの懸念が広がる中、アミラさんの父親フッセン(Hussen Abase)さん(47)は警察署で報道陣の取材に応じ、アミラさんは結婚式に出席すると言って出かけたと語った。その際アミラさんの様子に何ら不審な点はなく、イスラム過激派に関心を寄せているそぶりもそれまで全くなかったという。
フッセンさんは「家族はみんな泣き続けている。考え直してほしい。シリアには行かないで」とテレビを通じてアミラさんに訴えた。
■スコットランド出身女性がツイッターで勧誘か
シャミーマさんについては、マイクロブログのツイッター(Twitter)の彼女のアカウントから、何者かが15日にスコットランド(Scotland)・グラスゴー(Glasgow)出身のアクサ・マフムード(Aqsa Mahmood)という女性と連絡を取っていたことが分かっている。この女性は昨年、IS戦闘員と結婚するためにシリアに渡ったと報じられている。
家族はこの女性の行動を強く非難しており、英当局が彼女のソーシャルメディアアカウントを監視していたにもかかわらず、シャミーマさんとのやり取りに対し何の措置も取らなかったことに疑問を呈した。マフムード一家の代理人を務める弁護士は英国放送協会(BBC)に「彼女はいま、若者たちとつながって(ISへ)勧誘しようとしている」と警告した。
シャミーマさんの姉のレヌー(Renu Begum)さん(27)は昨年、シャミーマさんの友人の行方が分からなくなりシリアへ向かった可能性が指摘された際「こんなばかげたこと、あなたはしないわよね?」と妹に尋ねた。シャミーマさんは、自分には支えてくれる家族がいるから、そんなことはしないと答えたという。
レヌーさんは、学年でも優秀だったシャミーマさんについて「賢い子だけれど、まだ若い。若い子たちの心は簡単に影響されてしまう」と指摘。「傷つきやすい若い少女たちに確信を抱かせるのは、間違っている。とても悪いことだ」と語った。