【2月23日 AFP】東京電力(TEPCO)は22日、同日午前10時ごろ福島第1原子力発電所構内の排水溝で放射性物質の濃度が上がったことを示すモニターの警報が鳴ったと発表した。

 東電によると放射性物質の濃度は最高で通常の約70倍を記録し、東電は雨水や地下水を太平洋に流す排水路をせき止めた。濃度はその後終日にわたって下がり続けたが、それでも同じモニターは通常の10~20倍の値を示したという。

 東電はプラントと他のモニターの緊急調査を行ったが汚染水タンクからの漏水は確認されておらず、放射性物質の濃度が上がった原因は分かっていない。同原発をコントロールし廃炉にする作業がいかに困難であるかが改めて示される形になった。

 同原発の原子炉とその中にある核燃料を冷却した汚染水は増える一方だが、東電はそれを効果的に処理できておらず、広大な原発敷地に設置された多数の大型タンクに溜めている。近くの山からプラントの下を通って太平洋に注ぎ込む地下水も東電を悩ませている。

 国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)は今月17日、福島第1原発の状況は「大きく改善」していると指摘した一方、汚染水危機に対応する比較的安全な方法として、日本は処理が済んだ汚染水を海に流すことも検討すべきだと助言していた。(c)AFP