【2月23日 AFP】フランス・パリ(Paris)の地下鉄でチェルシー(Chelsea)のサポーターが起こした人種差別問題について、人権団体で働く元警察官のチェルシーファンが22日、この件に関わったことを認めて謝罪した。

 パリでの人種差別については、17日に行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)対チェルシー戦の試合前に、チェルシーのサポーターが「俺たちはレイシスト(人種差別主義者)、俺たちはレイシスト、これが俺らのやり方」と歌いながら、電車に乗ろうした黒人男性のスレイマン・S(Souleymane S)さんをホームに押し返していたことが、乗客の撮影した動画によって明らかになっていた。

 今回事件への関わりを認めたのは、人権団体「World Human Rights Forum」のディレクターを務める50歳のリチャード・バークリー(Richard Barklie)氏。同氏は弁護士を通じて声明を発表し、この件に関わったことを認めた上で、自分は人種差別主義者ではないと強調した。

 北アイルランド・ベルファスト(Belfast)の事務弁護士、ケヴィン・ウィンタース(Kevin Winters)氏は声明で、「彼は差別的なチャントや歌には加わっておらず、そうした行為を全面的に非難している」と述べた。

「スレイマン氏が受けた心の傷とストレスに対して、心からの謝意を表すことを望んでいる」

 パリ地下鉄での事件は大きな波紋を呼んでいる。クラブは、関与が確認された人物は永久追放にすると約束し、今回の行為に「がく然」としていると明かした。

 声明によれば、バークリー氏はチェルシーの年間チケット保持者で、PSG戦へは一人で遠征した。動画に映っている別の人物については、面識がないという。

 声明ではさらに、同氏がアフリカやインド関連の仕事をしていること、人権の分野で働いていることが「人種差別主義者ではない証拠」と述べられている。