【2月23日 AFP】トルコ軍は22日早朝、シリア北部にあるトルコの飛び地の歴史的霊廟(れいびょう)を警備していた兵士約40人を救出した。霊廟がある地域はイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の制圧下にあり、警備の兵士らは同組織に包囲されていた。

 同地域の支配を失っているシリア政府は、シリア内戦をめぐってトルコ政府と対立している。シリア政府は同領土への「言語道断の侵攻」だとトルコ政府を厳しく非難した。

 トルコのアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)首相は、作戦は成功して兵士は無事帰還し、スレイマン・シャー(Suleyman Shah)の亡きがらを納める霊廟を取り戻したと語った。

 スレイマン・シャーはオスマン帝国を建国したオスマン1世(Osman I)の祖父で、霊廟はトルコ国境から約37キロシリア側に入ったユーフラテス川(Euphrates River)沿いにあった。トルコ人にとってこの霊廟の象徴的意義は非常に大きく、1920年代の条約でトルコ領として認められていた。

 トルコ軍はまた、トルコ国境に近いシリア領内の別の地域を掌握した。当局によると、霊廟は数日内にその場所に移されるという。

 作戦には572人のトルコ軍兵士、戦車39両、装甲車57台、他の軍用車両100台が投入された。作戦中、兵士1人が事故で死亡した。(c)AFP/Burak AKINCI