【2月22日 AFP】英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は21日、シリア政府軍が反体制派戦闘員の6家族を「処刑」し、子ども10人を含む少なくとも48人が殺害されたと明らかにした。

 政府軍は今月17日、トルコ国境に続く反体制派の補給路を遮断するためシリア第2の都市アレッポ(Aleppo)の北にある村リトヤン(Rityan)に入った。翌日、政府軍が去った後に村に戻った人々が遺体を発見。死者の中には5人の女性と13人の反体制派戦闘員も含まれていた。

 シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表は、「政府軍と民兵たちは反体制派戦闘員の家がどこかを熟知していた。案内役の密告者が付き添ったからだ。反体制派戦闘員の1人が政府軍に向けて発砲し、家族とともに処刑されたことを除けば、抵抗はなかった」と述べた。別の活動家によれば切断された遺体もあったという。

 短時間で終わった政府軍によるリトヤン占拠は、アレッポの東の反体制派支配地域を包囲し、アレッポの北にあるイスラム教シーア派(Shiite)の2つの村を解放するために行われたもの。政府軍に制圧されていた村は1か所を除いて20日までに全て国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイスラム武装勢力「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」を含む反体制派が奪還した。(c)AFP