【2月21日 AFP】ロンドン警視庁(Metropolitan Police ServiceScotland Yard)のテロ対策司令部(Counter Terrorism Command)は20日、行方不明になっている少女3人がイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に加わるためシリアに渡航した可能性があるとして、3人の発見に向けて広く情報提供を呼びかけるという、前例のない措置に踏み切った。

 シャミーマ・ベガム(Shamima Begum)さん(15)、カディーザ・サルタナ(Kadiza Sultana)さん(16)、家族の希望により氏名が公表されていない少女(15)の3人は、今月17日に英ロンドン(London)の自宅を出てトルコ・イスタンブール(Istanbul)に向かう旅客機に搭乗したが、その後の足取りが分からなくなっている。

 警察は、3人はロンドン東部にあるベスナル・グリーン・アカデミー(Bethnal Green Academy)に通う親しい友人同士で、昨年12月にISに加わるためいなくなった別の友人の後を追ったものとみている。テロ対策司令部のトップ、リチャード・ウォルトン(Richard Walton)氏はAFPに対し、シリアの複数の組織が少年少女らを勧誘するため積極的に活動していると話した。ISに参加しようとシリアやイラクに入国する外国人の若者は増加傾向にあるとされている。

 警察はまた、3人の少女は出国にあたって何らかの支援を受けていたとみているが、どの程度の支援だったのか、資金面でも支援を受けていたのかは不明だという。

 これまでに約550人の欧米の女性が、ISに参加するためイラクとシリアに入国したと推定されている。ロンドンにある「戦略対話研究所(Institute for Strategic DialogueISD)」が先月公表した報告書によると、ISの支配地域に入る女性たちは結婚して家事をし、子供を産むことが期待されているという。(c)AFP