【2月17日 AFP】五輪開催を来年に控えたブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)市が、リオ五輪の広報活動にうってつけのツイッター(Twitter)アカウントを靴磨きで生計をたてているスペインの男性から譲り受けた。

 ハビエル・カスターニョ(Javier Castano)さん(50)は16日、ツイッターのアカウント「@riodejaneiro」のパスワードをリオデジャネイロ市に渡したことを明らかにした。

 カスターニョさんはツイッターができて間もない2007年に複数のアカウントを取得していた。その一つの「@japan」も2020年に東京五輪が開催される日本に譲りたいと考えている。

 リオ市役所には数年前からアカウントを譲ると打診していたが、このほどリオ市側から申し出を正式に受けるとの返信がカスターニョさんにあったという。

 リオデジャネイロ市観光課は「ツイッターで市の名前を使えるようになり、とても喜んでいる」との声明を発表。「いよいよ五輪の開催日も近づき、今後はこのアカウントが大きく役立つことになる」とユーザー名取得の意義を説明した。

 カスターニョさんはグラフィックデザイナーだったが、スペインを襲った経済危機で仕事がなくなってしまった。現在はスペイン南部のマラガ(Malaga)で靴磨きをして1日に約30ユーロ(約4000円)を稼いで暮らしている。

 ツイッターアカウントを譲る相手は五輪開催地のみと決めている。アカウント譲渡にあたってお金は受け取らない。カスターニョさんはAFPに「私は貧しい靴磨きだけれど、1億3000万人の日本人や800万人のリオ市民に贈り物をすることができる」と語った。「君はそんなことできるかい?」

 これまでにも、カナダやスペイン・マドリード(Madrid)の自治体から公式にアカウント譲り受けたいとの連絡を受け、これが本物であることを確認した後、それぞれパスワードと共にアカウント「@canada」と「@madrid」を譲ったという。

 リオデジャネイロ市へのツイッターアカウント譲渡も成功させたカスターニョさんは「とても幸せな気分だ。私に残された任務は『@japan』を譲り渡すことだけだね」と語った。

 だが、日本の首相のツイッター担当者は、自分が知る限り新しいアカウントを作るという話はなく、カスターニョさんのことも全く聞いたことがないと述べ、個人からツイッターアカウント提供を受ける可能性については慎重な姿勢を示した。(c)AFP