ボコ・ハラム掃討に米国の協力拡大を期待、ナイジェリア大統領
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【2月15日 AFP】ナイジェリアのグッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領は14日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal、WSJ)のインタビューで、イスラム過激派組織ボコ・ハラム(Boko Haram)と戦う上で米国に一層の協力を求める姿勢を示した。
このインタビューでジョナサン大統領は初めてナイジェリアで過去6年間反乱を続けているイスラム教スンニ派(Sunni)のボコ・ハラムと、シリアとイラクの一部地域を占領するイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」に直接的な結びつきがあると主張した。
ジョナサン大統領は、「米国はISIS(イスラム国の別称)と戦っているのに、なぜナイジェリアには来てくれないのだ」と主張し、「米国はナイジェリアの友人だ。ナイジェリアに問題があれば、米国が来て助けてくれることを期待している」と話した。
しかし、米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は記者会見で、現在のところ米軍はナイジェリア国内で活動しておらず、ナイジェリアに米軍を派遣する計画もないと述べた。
カービー報道官はまた、米国はナイジェリア政府によるボコ・ハラム掃討作戦を支援するためアフリカ各国がつくる多国籍部隊の編成を支援する初期段階にあると述べた。
ウォールストリート・ジャーナルにジョナサン大統領のインタビューが掲載されたのと同じ頃、数百人のボコ・ハラム戦闘員がナイジェリア北東部の都市ゴンベ(Gombe)を攻撃した。ボコ・ハラムは市民に大統領選のボイコットを呼びかけるビラをまきながら同市を銃撃したという。
攻撃は現地時間14日午前9時(日本時間同日午後5時)ごろ始まった。住民は避難し、政府はこれまでもボコ・ハラムによる攻撃があったゴンベ市を24時間の厳重監禁措置下に置いた。
ナイジェリア北東部にイスラム国家をつくる目的を持つボコ・ハラムは、今月6日に隣国のニジェールで、13日にはチャド領内でそれぞれ初めて攻撃を行った。ボコ・ハラムによるカメルーン北部での攻撃も激化しており、地域への脅威を危惧したこれらの3か国はいずれも軍を派遣している。(c)AFP/Aminu Abubakar, with Joel Olatunde Agoi in Lagos and AFP Washington