【2月13日 AFP】日本生まれのブラジル人芸術家の大竹富江(Tomie Ohtake)さんが12日、肺炎のため死去した。101歳だった。

 サンパウロ(Sao Paulo)にある「大竹富江文化センター」によると大竹さんは1週間前からサンパウロの病院に入院していた。大竹さんは10日に心停止となり、生命維持装置をつけて集中治療室に入っていた。

 幾何学的図形の抽象画がトレードマークの大竹さんはブラジルで最も有名な芸術家の一人。100歳の誕生日を迎えた昨年には、いくつかの回顧展が催された。

 大竹さんは1913年京都生まれ。1936年にサンパウロに住んでいた兄を訪ねてブラジルに渡った。ブラジルで結婚し、2人の子どもをもうけて定住した。

 第2次世界大戦(World War II)後の1951年に日本に一時帰国し、ブラジルに戻った後39歳の時に初めて絵画を制作。大竹さんの作品は1957年までにサンパウロ美術館(Sao Paulo Museum of Modern Art)などの主要美術館に展示されるようになった。

 1968年にブラジル国籍を取得。日本からブラジルへの移民が始まってから80年に当たる1988年に外交分野で功績のあった人に与えられる「リオブランコ勲章」を、2013年にブラジルの文化勲章を受章した。(c)AFP