【2月12日 AFP】サッカー元ブラジル代表のレジェンドであるペレ(Pele)氏は11日、サッカー界が人種差別的な行為に対して過敏に反応しすぎていると主張し、事件について取り上げる記事が少なくなれば、問題は起きなくなくなるだろうという見解を示した。

 ペレ氏はブラジルのニュースポータルサイト、ウニヴェルソ・オンライン(Universo Online)に対し、昨季FCバルセロナ(FC Barcelona)の試合で起きた事件について言及し、「(ブラジル代表の)ダニエウ・アウベス(Daniel Alves)がCKの際にバナナを投げつけられたときのように、また食べて何の反応も示さなければ、誰も二度と事件を起こす気はなくなるだろう」と述べた。

 アウベスは、事件が起きた際にバナナを拾って食べ、その冷静な対応が称賛された。

 しかしペレ氏は、人種差別的な行為をはたらくファンは、自分たちの行動に注目が集まることを生きがいにしていると指摘した。

 3度のW杯(World Cup)制覇を誇るペレ氏は、「大きな問題は、そうした愚か者たちが注目を集めているということだ。彼らはファンではなく不良どもだ」と言い放った。

 対照的に、ブラジル代表としてW杯制覇を果たしたロナウド(Ronaldo)氏は、昨年9月のインタビューで同胞のアウベスに対して同情の気持ちを爆発させている。

 ペレ氏は、人種差別の対抗策になるのは受け流してプレーを続けることだと主張した。

 王様のニックネームを持つペレ氏は、「私が米国、ラテンアメリカ、そしてブラジルでプレーしていた時、黒人に対する差別用語を聞くたびにケンカを仕掛けていたら、今でも世界中の至る所で訴訟問題を抱えていたことだろう」と述べた。(c)AFP