地中海で難民300人水死の恐れ、ゴムボートで密航 業者が強制か
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【2月12日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は11日、多数の難民を乗せてアフリカから欧州に向かっていた複数のゴムボートが地中海(Mediterranean Sea)で沈没し、300人以上が水死した恐れがあると発表した。
犠牲者の大半はサハラ以南のアフリカ出身で、先週末にリビア沿岸から出発したとされる。事故の詳細は、計200人以上が乗っていたボート2隻の生存者9人が、イタリアの沿岸警備隊に救助され、同国のランペドゥーサ(Lampedusa)島に移送された後に明らかになった。
イタリアのUNHCR広報担当、カルロッタ・サミ(Carlotta Sami)氏はツイッター(Twitter)で「生存者9人は海上で4日後に救出された。残りの203人は波にのまれた」と発表した。
うち1隻のボートでは、乗っていた難民29人が悪天候にさらされたことによって死亡。その大半は、9日にイタリアの沿岸警備隊に救助された後に死亡した。
UNHCRは11日の発表で、ランペドゥーサ島に搬送された生存者の話から、4隻目のボートも消息を絶ったことが分かり、約300人の行方不明が確認されたことを明らかにした。
生存者らは国際移住機関(International Organization for Migration、IOM)の職員に対し、密航業者が自分たちをゴムボートに無理やり詰め込んで悪天候の海に送り出したと証言。「彼らは銃や棒を持って私たちを船に無理やり乗せ、持ち物を全て奪った」などと語ったという。(c)AFP/Fanny CARRIER with Nina LARSON in Geneva