英金融大手HSBCが「脱税ほう助」、世界に波紋
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■著名人の名も
このファイルには、ロシアやインド、アフリカ諸国の元職や現職の政治家、サウジアラビア、バーレーン、ヨルダン、モロッコの王族、さらにはオーストラリアのメディア王だった故ケリー・パッカー(Kerry Packer)氏の名前も含まれている。
大きな波紋が広がった今回の暴露を受けて、HSBCを捜査するようスイス当局に求める声が強まっている。同行はフランスとベルギーではすでに訴追されている。これまでのところスイス当局は、今回のスキャンダルの核心となったファイルを盗んだファルチアニ元社員についてのみ捜査している。
これらのファイルは、脱税者らの摘発のためフランス政府によって活用され、2010年に他国の政府とも共有された。これによって一連の訴追につながった。英税務当局は9日、これらのファイルに基づいて1億3500万ポンド(約240億円)以上の税収があったと発表した。
HSBCスイス部門のフランコ・モッラ(Franco Morra)代表はAFPの取材に対し、「HSBCのスイスプライベートバンキング部門は2008年から、提供するサービスが脱税や資金洗浄に悪用されないよう根本的な変革に着手している」と電子メールで回答。さらに、「同行の高い基準に適合していなかった」顧客の口座は閉じ、「現在は強力なコンプライアンス(法令順守)体制ができている」と訴えるとともに、今回の暴露により「スイスのプライベートバンキングの古いビジネスモデルはもはや許容されないことが再確認された」と認めた。(c)AFP/Nina LARSON with Roland Jackson in London