【2月8日 AFP】事実とは異なるイラクでの取材経験を語っていたことが明らかになった米NBCテレビのニュースキャスター、ブライアン・ウイリアムズ(Brian Williams)氏(55)は7日、番組出演を「数日間」自粛する意向を表明した。

 ウイリアムズ氏はこれまでの放送で、2003年のイラク取材中に乗っていた米軍ヘリコプターが攻撃を受けたとする経験談を繰り返し語っていた。しかし当時現場にいた米軍部隊の要員が同氏の話は事実と異なると指摘。これを受けて同氏は先週、事実でなかったことを認めた。

 ウイリアムズ氏は7日、NBCのウェブサイトで「ニュースを扱うキャリアの真っただ中にいる身としては、自らの行動のせいで私自身がニュースで大きく扱われるのは痛いほど目に見えています」と述べ、「(NBCのニュース番組)ナイトリー・ニュース(Nightly News)の編集主幹として、私は番組出演を向こう数日間自粛することにしました。この件について適切に対応できる形にするため、レスター・ホルト(Lester Holt)が私の代役を務めることを快諾してくれました」と付け加えた。その上で、「番組復帰後はわれわれに対する信頼に応えるため、生涯努力を続けていく所存です」と強調した。

 NBCは6日、ウイリアムズ氏の経験談に関する内部調査を開始した。同氏はこれに先立つ4日の放送で謝罪を表明したものの、悪意のない過ちだったとは思えないとする批判的意見が噴出し、反発は一段と強まった。同氏は現在、05年に甚大な被害を及ぼした大型ハリケーン「カトリーナ(Katrina)」の報道についても精査されている。

 ナイトリー・ニュースの視聴者は毎日全米で推計900万人に上り、ウイリアムズ氏は米国で高く評価されているジャーナリストとして2004年から同番組のキャスターを務めている。年俸は1000万ドル(約12億円)とされ、昨年12月にはNBCとの契約を5年延長した。(c)AFP