UAEがヨルダンにF16飛行隊を派遣、イスラム国空爆を支援
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【2月8日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)は7日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」に対する有志国連合の空爆支援を目的として、F16戦闘機の飛行隊をヨルダンに派遣する命令を下した。
国営首長国通信(WAM)は、命令は連邦軍副最高司令官を務めるアブダビ(Abu Dhabi)首長国のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン(Mohammed bin Zayed al-Nahayan)皇太子が下したもので、「今回の決定は、UAEとヨルダンの変わらぬ連帯ならびに英雄モアズ・カサスベ(Maaz al-Kassasbeh)中尉の殉教によって示された通り、同国が中東地域の安全と安定のために大きな犠牲を払いつつ中心的な役割を果たしていることを再確認するものだ」と伝えた。
同通信は、UAEによる今回のF16戦闘機派遣が、ヨルダンによる「残虐なテロ集団」イスラム国空爆を支援するためのものと報道したが、派遣する戦闘機数やイスラム国空爆における役割などの詳細については言及しなかった。
また同通信は、イスラム国は「非道な犯罪の数々を通し、世界中にその醜さと、宗教的、人道的価値の冒涜(ぼうとく)を見せつけ、中東地域の人々の間に怒りと嫌悪の感情を引き起こした」と報道した。
昨年12月に墜落したヨルダン空軍戦闘機を操縦していたカサスベ中尉がイスラム国に拘束されて以来、UAEは自国操縦士の安全面への配慮から、有志国連合による空爆への参加を見合わせていた。
米政府関係者は6日、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官がドイツのミュンヘン(Munich)で湾岸諸国の閣僚と会談した後、UAEが数日以内に空爆参加を再開する見通しだと発言していた。
UAEは、イラクとシリアで広大な範囲を支配下に置いているイスラム国壊滅に向け、米軍主導の有志国連合に参加していることを改めて表明した。
別の米政府関係者は、イスラム国によるカサスベ中尉焼殺という残虐行為は全湾岸諸国にとって「ダーイシュ(Daesh、イスラム国のアラビア語名称の頭字語)と戦う決意を倍増させる出来事だった」と述べている。(c)AFP