【2月7日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が拘束していた米国人女性がヨルダン軍による空爆で死亡したと発表したことを受け、女性の両親は6日、娘の生存に希望を抱いているとの声明を発表するとともに、直接自分たちに連絡してほしいとイスラム国側に訴えた。

 イスラム国は、米国人女性のカイラ・ジーン・ミューラー(Kayla Jean Mueller)さん(26)はシリア北部のラッカ(Raqa)で、ヨルダン軍が行った空爆で崩壊した建物の下敷きになって死亡したと発表していた。これに対して米国政府は、ミューラーさんが死亡したことを示す根拠は何もないとしている。

 ミューラーさんの両親のカール(Carl Mueller)さんとマーシャ(Marsha Mueller)さんは米NBC Newsを通じて声明を発表。この中で「非常に憂慮しているが、カイラはまだ生きているとの希望を持っている」と述べ、イスラム国に宛てて私的なメッセージを送ったことを明らかにし、自分たちへ直接連絡してほしいとイスラム国側に訴えた。

 6日に初めてミューラーさんの無事解放を公に訴えた両親は、これまでもイスラム国側とやり取りをしていたという。声明のなかで父親のカールさんはイスラム国に向けて「あなた方はカイラを客人として扱っていると言いましたね。ならばあなた方には客人の安全と健康を守る責任がある」と訴え、「カイラの母親も私も、彼女を無事解放するためにできることは全てやってきた。ここでもう一度、カイラを拘束している人たちに頼みたい。私たちに連絡してほしい」と呼び掛けた。

 援助活動に従事していたミューラーさんは2013年8月、シリアのアレッポ(Aleppo)で国際医療援助NPO「国境なき医師団(Doctors Without BordersMSF)」の病院を出たところで拉致された。家族によると、ミューラーさんはそれ以来ずっとイスラム国に拘束されているという。(c)AFP