【2月7日 AFP】台湾の台北(Taipei)市郊外で今月4日に旅客機が川に墜落する事故を起こした復興(トランスアジア)航空(TransAsia Airways)は7日、事故機と同型の航空機を操縦する同社のパイロット全員の再訓練を開始した。

 4日の事故は、乗客53人乗員5人を乗せた復興航空のATR 72-600型機が台北郊外の川に墜落したもので、これまでに15人が救助されたが、少なくとも38人が死亡し、依然として行方不明になっている5人の捜索が続けられている。

 復興航空は半年余り前の2014年7月にも台湾の澎湖諸島(Penghu Islands)で旅客機が墜落し、死者を出していた。航空当局によると復興航空は澎湖諸島の事故後に改善を命じられた事項のうち約3分の1を実施できていなかった。

 4日の事故ではパイロットが墜落前に片方のエンジンを停止させるという不可解な操作をしていたことから、台湾の民用航空局(Civil Aeronautics AdministrationCAA)は復興航空のATR機を操縦する全パイロット71人に対し、再訓練の一環として口述試験を受けるよう命じたことを明らかにした。試験はCAAと航空専門の第三者機関が7日から4日間の予定で実施するという。この再訓練の影響で、今月9日までに国内線の90便が欠航するという。

 墜落の原因については現在も調査中だが、回収したブラックボックスを解析した結果、台北の空港を離陸してからおよそ2分後に右側のエンジンが止まったことが分かっている。台湾の飛航安全調査委員会(Aviation Safety Council)が6日に明らかにしたところによると、操縦席内に警告音が鳴り響き、パイロットは左側のエンジンを手動で停止させていたが、パイロットがそのような操作をした理由は分かっていない。(c)AFP