イエメン、シーア派民兵組織が政権掌握 米政府など非難
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【2月7日 AFP】イエメンの首都サヌア(Sanaa)を制圧したイスラム教シーア派(Shiite)系の民兵組織「フーシ(Huthis)」は6日、議会を解散し、政治の空白を埋める暫定統治機構「大統領評議会」を開設したと発表した。だが米政府はこれを非難し、イエメン国内でもフーシの政権掌握は「クーデター」だとして抗議の声が上がっている。
フーシによると、議会に代わる立法機関として定数551人の暫定国民評議会を設立し、5人から成る大統領評議会が今後2年間にわたってイエメンを暫定統治するという。またフーシが発表した「憲法宣言」は、「国防」のための「革命評議会」にも言及している。
これに対し、首都サヌア東方の産油県マーリブ(Marib)ではスンニ派(Sunni)部族が非難の声を上げ、サヌアでは数百人が通りに繰り出して抗議のデモを行った。
2011年の反政府デモで中心的な役割を担い、2012年にアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)前大統領を退陣に追い込んだ活動家の若者たちは「民兵組織フーシによる支配は拒否する」との声明を発表した。
サヌア大学(Sanaa University)周辺に数百人が集まりフーシに抗議したが、フーシの戦闘員らが空に向けて発砲して集まった人たちを排除し、目撃者によると6人が逮捕された。
イエメンは国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)との戦いにおける米国の主要な同盟国だが、「アラブの春」に触発された民衆蜂起以降、情勢不安が続いていた。フーシは昨年9月、国政への影響力拡大を狙って地盤のイエメン北部からサヌアに入っていた。(c)AFP/Jamal al-Jabiri