ウクライナ和平めぐり独仏露の首脳が会談、共同文書作成で合意
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【2月7日 AFP】(写真追加)ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相とフランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は、ロシアの首都モスクワ(Moscow)でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領と会談し、3首脳はウクライナ東部で続く政府軍と親ロシア派勢力との戦闘の終結を目指す共同文書を作成することで合意した。当局者が7日明らかにした。
ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)露大統領報道官は報道陣に対し、7日未明まで4時間以上にわたって行われた3首脳の会談は「内容があり、建設的なものだった」と述べ、昨年9月にベラルーシの首都ミンスク(Minsk)で締結された停戦合意を履行させるための共同文書の文書を準備する作業が始まっていると明らかにした。同報道官によると共同文書にはウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領が提案した内容も盛り込まれるという。
3首脳は会談後に記者会見を行わず、メルケル独首相とオランド仏大統領はすみやかにロシアを離れた。3首脳とウクライナのポロシェンコ大統領の4人は8日、共同文書について電話で会談する。
今回の独仏露3首脳の会談は、米国がウクライナへの武器供与を検討している中で、10か月に及ぶウクライナ東部の戦闘がコントロールできなくなるほど拡大するのを防ぐ狙いがあったとみられている。
モスクワでの会談に先立ちメルケル独首相は、昨年4月以降で5300人以上の生命を奪ったウクライナ東部の戦闘が速やかに終結する可能性は小さいとの見方を示していた。
メルケル首相とオランド大統領はプーチン首相との会談に先立ち、まず5日にウクライナのキエフ(Kiev)を訪問。早急に戦闘を停止させ、昨年9月の停戦合意を復活させる可能性を探るために、ウクライナのポロシェンコ大統領と会談した。ポロシェンコ大統領は会談後、独仏首脳の和平への努力により停戦実現への希望が出てきたと述べた。
一方、独仏の首脳はモスクワでは笑顔を見せず、クレムリン(Kremlin)内の部屋のドアを閉めて、小さな丸テーブルを囲みプーチン首相と会談した。マスコミは短時間のみ撮影を許可されたが、各首脳からのコメントはなかった。
メルケル首相のモスクワ訪問はウクライナ紛争勃発後としては初めて。オランド大統領は昨年12月に短時間のみモスクワに立ち寄っていた。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO