【2月10日 AFP】IT業界は、「ドット・コム」バブルの崩壊から15年が過ぎ、再び絶好調を迎えている。業界には記録的な額の資金が流れ込む一方で、資産価値が膨れあがっていることへの懸念も再び出てきている。

EY(アーンスト・アンド・ヤング)グループの調査によると、2014年のIT業界では3512件の合併・買収があり、その総額は2376億ドル(約28兆円)と、2000年以降で最高額を記録した。2015年の見通しも「力強い」ままで、このトレンドが減速する兆候はみられない。

 また、スマートフォン(多機能携帯電話)を活用する米配車サービス「ウーバー(Uber)」や、送った写真がすぐに消えるという特徴があるメッセージアプリ「スナップチャット(Snapchat)」などのベンチャーは、資本の流入で企業価値が急上昇した。

 ベンチャーキャピタルを分析する調査会社CBインサイツ(CB Insights)によると、2014年、IT業界では米国の25社を含む38社が、新たに価値10億ドル(約1200億円)以上の企業となった。

 IT業界に漂う高揚感は、前四半期に過去最高の180億ドルの利益を上げた米アップル(Apple)や、米市場への新規株式公開(IPO)で過去最大の250億ドル(約2兆8000億円)を調達した中国の電子商取引大手アリババ(阿里巴巴、Alibaba)など、業界大手の好調ぶりも影響している。

 国際監査法人プライスウォーターハウスクーパース(Pricewaterhouse CoopersPwC)は、2014年は「世界のIT企業のIPOにとって、過去10年で最高の年だった」と述べている。