【2月6日 AFP】ドイツ・ベルリンで5日、第65回ベルリン国際映画祭(Berlin film festival)が開幕した。オープニング作品は、米アカデミー賞(Academy Awards)受賞歴のある仏女優ジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche)が主演し、日本の女優菊地凛子(Rinko Kikuchi)も出演している『ノーバディ・ウォンツ・ザ・ナイト(原題:Nadie quiere la noche、英題:Nobody Wants the Night)』だった。

 スペインのイザベル・コイシェ(Isabel Coixet)監督が手がけた同映画は、20世紀初頭の氷に閉ざされたグリーンランドのツンドラが舞台。米探検家ロバート・ピアリー(Robert Peary)の妻ジョセフィーン・ピアリー(Josephine Peary)の実話が基になっている。

 ビノシュ演じるジョセフィーンは、横柄だが教養のある女性で、夫ロバートの栄光を共有するために困難な探検に出発する。同行するガイド役は、アイルランド人俳優、ガブリエル・バーン(Gabriel Byrne)が演じた。

 この作品で、ロバートの子を妊娠するイヌイットの娘を演じた菊地。ビノシュと共演するチャンスに飛びついたと話した。

「彼女の映画を見て育ったの。とても強くて美しい人。彼女から自然に多くのことを学んだわ」

 コイシェ監督作品の同映画祭への出品は、今回が7回目。

 世界3大映画祭に数えられるベルリン国際映画祭。今年は、コイシェ監督を含む3人の女性監督が出品している。これまでにオープニング上映という名誉を授かった女性監督は、コイシェ監督を含めて2人しかいない。このことについて同監督は、「私の唯一の願いは、私で最後にならないでほしいということ」とコメントしている。

『ノーバディ・ウォンツ・ザ・ナイト』は、同映画祭最高賞の「金熊賞(Golden Bear)」を競うコンペティション部門にノミネートされた19作品のうちのひとつ。授賞式は、14日に開催。(c)AFP/Deborah Cole