【2月5日 AFP】スマートフォン(多機能携帯電話)のアプリケーションを利用した米配車サービス「ウーバー(Uber)」は5日、個人が自動車を共有する「ライドシェア」の試験運行プログラムを福岡市で開始した。同社の研究パートナー、九州大学(Kyushu University)が発表した。

 自動車の共有を希望する利用者は自分の現在位置を知らせ、スマートフォンやタブレットにダウンロードしたウーバーのアプリを通じて運転手に乗車を要請する。データ収集が目的の試験運行中は、このサービスは無料で利用できる。

 ウーバーはすでに、スマートフォンでハイヤーを呼べるサービスを都内で開始している。

 サンフランシスコ(San Francisco)を拠点とする同社は、世界54か国の200以上の都市でサービスを提供。自動車を所有し、独立して営業活動を行っている運転手と契約しており、自社では運転手を雇用せず、車両も所有せずにサービスを行っている。新興企業としては世界最大の規模に成長しており、時価総額は400億ドル(約4兆7000万円)相当とされる。

 ウーバーの急速な成長は、既存のタクシー会社との間に摩擦を引き起こし、これまでに数十の都市でタクシー運転手らがウーバーに対する抗議活動を行っている。また、規制当局にも新たな課題を突き付けており、ウーバーの営業停止を目指している都市も多数ある。

 このほか、安全面に関する懸念も高まっている。インド・ニューデリー(New Delhi)ではウーバーの運転手とされる男に利用者の女性がレイプされる事件があり、被害女性は利用者の安全を保障する措置を講じていなかったとして、同社を米国の裁判所に訴えている。(c)AFP