イラクの子どもたち、多数が武装勢力の支配下に 国連が警鐘
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【2月5日 AFP】国連(UN)・子どもの権利委員会(Committee on the Rights of the Child、CRC)は4日、イラクで多数の子どもたちが非道な武装勢力の支配下に置かれ、兵士や自爆犯、人間の盾として利用されるなど、組織的な虐待の対象にされていると警告する報告書を発表した。
紛争国の子どもたちが置かれた窮状に関する報告書でCRCは、イスラム国をはじめとする「非国家武装勢力」に採用された多数の子どもたちに関するついての深い懸念を表明した。
「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」の実施状況を監視する18人の独立した専門家からなるCRCは、ISが少数派を中心とした子どもたちを拷問や殺害の対象にしていると非難。また、CRCによるとISは学校を攻撃の標的としたり、教師を殺害したり、子どもたちを性奴隷にするなど組織的な性的虐待を行ったりしている。
報告書はこのほか、「障害のある子や家族からISに売られた子を含む子どもたちが自爆犯として利用されている」と指摘。空爆からISの施設を守る「人間の盾」として使われていることや、検問所で働いたり、戦闘員のために爆弾を作ったりすることを強要されているなど、子どもたちが利用されている状況について詳述している。
一方、CRCはイラク政府に対し、18歳未満の子どもが戦闘に駆り出されることを法的に禁止するよう求めた。
CRCはさらに、未成年が政府の検問所で警備員として働いていることや、テロ関連の犯罪で拘束された子どもたちが劣悪な状況に置かれていることなど、必ずしもイスラム武装勢力だけが責任を負うものではない虐待の問題について、イラク政府を批判している。(c)AFP