【2月4日 AFP】猫肉食が禁止されているベトナムで、中国から食肉用に密輸された猫数千匹を押収した当局が、密輸品に関連する法律に従い、猫たちを埋めて処分したことが明らかになった。猫たちの多くは生きたまま埋められたとみられている。

 警察当局は1月29日、首都ハノイ(Hanoi)で計3トンの生きた猫が押し込められた竹かごを積んだトラックを押収した。押収した当初、猫をどう扱うかについては決まっていなかったが、4日に警察関係者がAFPに語ったところによると、密輸品に対する法規定に従い、猫たちを埋却処分したという。

 ハノイ・ドンダー(Dong Da)地区のある警察官は匿名で「猫たちは中国から持ち込まれたもので、原産地を示す正式書類もなく検疫もされていなかった。何匹かは死んでおり、悪臭がひどく、環境汚染や今後、病気をはやらせるリスクがあったため埋却処分した」と説明した。処分した際に何匹が生きていたかについては述べなかった。ベトナムでは、鶏など密輸された他の動物も同様の方法で処分されている。

 これに対し、猫の助命を訴えていた動物愛護団体らは、多くの猫が生き埋めにされたのではないかと憂慮している。アジア犬保護同盟(Asian Canine Protection AllianceACPA)は「猫たちがどのように処分されたか、非人道的な内容を耳にしている。猫たちがどうなったかを示す証拠を開示してほしいというわれわれの要求は拒否されている。密輸された動物たちの非人道的な処分を終わらせるべきだ」と声明で非難した。

 ネット署名サイト「change.org」では、ベトナム当局に動物の扱いをめぐる方針を変更させようとの呼び掛けに対し、4日までに世界から2万3000の署名が集まった。(c)AFP