【2月4日 AFP】スペインの裁判所は3日、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)獲得に絡む脱税容疑で、FCバルセロナ(FC Barcelona)のジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)会長を告発した。

 約285万ユーロの脱税容疑がかかっているバルトメウ会長は、マドリード(Madrid)にある全国管区裁判所のパブロ・ルス(Pablo Ruz)裁判官から、2月13日に出頭するよう書面で命じられた。

 書面には、「FCバルセロナ、およびジョゼップ・マリア・バルトメウ会長ら現首脳陣による284万5700ユーロ(約3億8000万円)の脱税の有無を調査する必要がある」と記されている。

 ネイマール獲得に絡んだ脱税疑惑については、検察が2日、バルトメウ会長とクラブそのものの捜査を行うよう要請していた。裁判まで進展するかについては、ルス裁判官が会長から直接に話を聞いた上で判断する。

 クラブはこの日、検察の要請に対して「驚きと憤りを感じており、まったくもって納得できない」とコメントしていたが、その後、裁判官から正式に出頭命令が出されることとなった。

 バルセロナは、ネイマールの獲得費用を5700万ユーロ(当時約74億円)と申告していたが、検察側はサンドロ・ロセール(Sandro Rosell)前会長の下でクラブが契約を複数に分割し、合計8270万ユーロを支払ったとみている。

 これに対し、クラブは「ネイマールの獲得手続きはすべて適切に行われており、いかなる形でも、法律に違反しようという意図はない」と話している。

 一方、スペインの税務当局によれば、ネイマール獲得に関しては1200万ユーロ(約16億円)の未納金があるという。

 この件については、ネイマール獲得の際に不正な支出があったという訴えをクラブ会員(ソシオ)が起こしたことを受け、約1年前にロセール前会長が辞任している。

 ロセール前会長は2014年7月に裁判所へ出頭しており、その場でネイマールの獲得費用は合計5700万ユーロ、そのうち1700万ユーロを前所属クラブのサントスFC(Santos FC)に、4000万ユーロをネイマールの父親が所有するN&N社に支払ったと主張していた。

 ところがクラブは前会長の辞任後、選手と代理人に支払う1000万ユーロのボーナス契約、サントスとのクラブ間契約などを別に結び、費用の総額は8620万ユーロに達すると明らかにしていた。そして2014年2月、1350万ユーロを追加で納税していた。(c)AFP