ウクライナ東部で戦闘激化、和平交渉決裂
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【2月2日 AFP】ウクライナ東部では1日、交通の要衝デバルツェボ(Debaltseve)の支配権をめぐり、親ロシア派武装勢力と政府軍の戦闘が激化している。ウクライナ政府と親ロシア派勢力は先月31日、ベラルーシの首都ミンスク(Minsk)で和平協議に臨んだが、交渉は決裂した。
デバルツェボは、ウクライナ東部で親露派が拠点とするドネツク(Donetsk)とルガンスク(Lugansk)の間に位置する要所。元の人口は約2万5000人で、ウクライナ政府の支配下にあるが、現在、親露派が政府軍を包囲にかかっている。
1日、デバルツェボ市内には激しい砲撃音が鳴り響き、市民たちは政府側の支配地域へ至る唯一の道路沿いに脱出を試みているが、市内に残っている人々にとって状況はますます緊迫している。市内に入ろうとしたAFP特派員の車列も攻撃を受け、バスの窓ガラスは吹き飛び2人が軽傷を負った。
ウクライナ軍の発表によれば過去24時間で兵士13人が死亡、20人が負傷。この2日間で死亡した兵士は28人となった。また政府と親露派双方の発表によると、東部全域では少なくとも17人の民間人も死亡している。
■和平交渉は決裂、互いに非難
政府と親露派が昨年9月に合意した停戦協定は、最近の戦闘激化で事実上、崩壊している。今回の和平協議はこうした中、親露派が制圧するドネツク州とルガンスク州での無制限の人道支援の実現を目指し、欧州安保協力機構(OSCE)の調停人とロシア政府当局者も出席して開催された。
だが、ウクライナ代表のレオニード・クチマ(Leonid Kuchma)元同国大統領は、親露派の主要幹部が協議に出席せず、派遣された代表団も重火器の使用制限に関する議論を拒否して最後通告を突き付けたため、交渉が「頓挫させられた」と親露派を批判した。
一方の親露派代表団は、協議決裂の原因はウクライナ政府にあると非難。政府軍が攻撃を停止しない限り、停戦に合意しないと述べている。(c)AFP