【2月2日 AFP】インド北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州の警察署で、遺体安置室に数十人分の人骨や腐敗した臓器が放置されているのが見つかった。州警察当局が1日、明らかにした。

 鑑識の報告書によると、人骨などが見つかったのは先月30日。検視解剖を行った後、そのまま放置されていたとみられるが、この遺体安置室は2008年以降は鍵がかけられ使用されていなかったという。

 同州ウナオ(Unnao)の警察署の幹部G・N・ソニ(G.N. Soni)氏は、AFPの電話取材に対し「人骨が入った袋と(腐敗した)臓器が入った容器が、それぞれ複数見つかった。問題の安置室は6年以上使用されていなかったが、開いていた窓から中をのぞいた作業員らが発見した」と説明した。放置されていた人骨などの出どころや、火葬にされなかった理由は不明だが、警察は検視後の遺体の処理に不手際があった点は認めているという。

 別の警察幹部も匿名を条件に、現在DNA鑑定で身元確認を進めるとともに、なぜ「100片にも上る人骨や頭蓋骨が腐敗するまま安置室に放置されていたのか」を調査していると語った。見つかった人骨は1980年代初頭のものもあるという。

 地元紙タイムズ・オブ・インディア(Times of India)とメール・トゥデー(Mail Today)の1日の報道によれば、ウッタルプラデシュ州では他の地域でも、人骨や人体の部位が見つかる事件が起きている。

 最近では数週間前、ウナオの火葬場近くを流れるガンジス川(River Ganges)に約100体の遺体が浮いているのが見つかった。警察では、火葬用のまきが買えない貧しい人々が家族の遺体を水葬にしたのではないかとみている。

 インドで多数派のヒンズー教徒は、遺体を屋外で火葬した後、遺灰を聖なる川とあがめるガンジス川に散骨するのが一般的だ。(c)AFP