イスラム国が「殺害」した2人の日本人、それぞれの人生
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【2月1日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が映像を通じて殺害したと発表した日本人人質の後藤健二(Kenji Goto)さん(47)と湯川遥菜(Haruna Yukawa)さん(42)は知人同士で、中東で行動を共にしたことが少なくとも1度あった。後藤さんは昨年、イスラム国に拘束されたとみられる湯川さんを救いたいとしてシリアに渡航し、自身も人質となった。2人がたどったそれぞれの道のりを振り返る。
後藤さんはフリージャーナリストで、1996年に都内で映像通信社インデペンデント・プレス(Independent Press)を設立し、中東などの記録映像をNHKなどの放送局に提供していた。同社のウェブサイトによると、後藤さんは1967年、宮城県仙台市生まれ。
NHKの報道によると、後藤さんは昨年10月下旬、家族に日本へ帰国する意向を伝えた後で消息を絶った。フジテレビ(Fuji Television Network)によると、昨年11月初旬にイスラム国のメンバーを名乗る人物から後藤さんの妻に対し、約10億円の身代金を要求するメールが送信された。この脅迫メールは後日、米国人記者ジェームズ・フォーリー(James Foley)氏の殺害に関与した人物が送信したことが確認されたという。
後藤さんはシリアに入国した頃、身分証明書とパスポートを手に持って自身の映像を撮影し、危険を承知していることを説明。「何が起こっても、責任は私自身にあります。どうか日本の皆さんも、シリアの人たちに何も責任を負わせないでください。よろしくお願いします。必ず生きて戻りますけどね」と述べていた。