ロシア最大規模の学術図書館で火災、貴重文書が多数損失
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【2月1日 AFP】ロシア最大規模の学術図書館で先月30日夜、火災が発生し、100万点に及ぶ歴史的文書が損失したとみられる。旧ソビエト連邦の原子力発電所で1986年に起きた事故になぞらえて「文化のチェルノブイリ(Chernobyl)」だと嘆く声も出ている。
火災が起きたのは、露モスクワ(Moscow)にあるロシア科学アカデミー(Russian Academy of Sciences)付属社会科学学術情報研究所(INION)の図書館。火元は2階で、消防隊員が約200人態勢で消火にあたったものの翌31日夜まで延焼が続き、およそ2000平方メートルが焼失した。負傷者はいなかった。
1918年創設の同図書館の所蔵文書は1000万点近くに上り、古いものには16世紀の文書もある。スラブ語文書の所蔵数では世界一ともいわれ、英国やイタリア、米国の文書も保管している。
ロシア科学アカデミーのウラジーミル・フォルトフ(Vladimir Fortov)総裁は、露メディアに対し「科学的に甚大な損失だ。所蔵文書の数では世界有数の学術図書館で、恐らく米議会図書館(Library of Congress)に匹敵する」「他では見つからない文書もある。社会科学の研究に欠かせない図書館だ。今回ここで起きたことは、チェルノブイリを連想させる」と述べた。
フォルトフ総裁がラジオ局コメルサントFM(Kommersant FM)に語ったところによれば、損傷を受けたのは所蔵文書の約15%で、大半は消火に伴う散水によるものだという。
消防当局はロシア通信(RIA)に、図書館の内部が高温すぎて所蔵文書を退避させるのは不可能だったと説明した。
露メディアによると、当局は出火原因について電気系統の問題ではないかとみているという。(c)AFP